「NHK 10分BOX 万葉集から」
覚えましょう。
春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天の香具山
東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ
多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの子のここだ愛しき
父母が頭かきなで幸くあれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる
【和歌とは】
◆和歌(わか)とは、中国の漢詩に対して、日本人が日本語で
詩歌を作ったこれを和歌という。
初めは漢字を日本語に当てはめて作っていたが、仮名(かな)が作られてから
漢字と仮名で表記するようになった。
◆現存する日本最古の和歌は「万葉集」である。
・さらに、平安初期に後醍醐天皇(ごだいごてんのう)の勅命で作られたのが
「古今和歌集」
・その後、鎌倉時代初期に後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)の命で作られたのが
「新古今和歌集」である。
・もちろん漢詩と同じく、和歌にも歌の決まりがある。
【万葉集について】
◆日本最古の和歌集は『万葉集』
・『万葉集』は、奈良時代末期に編纂された
20巻、4500首あまりの歌が収められている。
◆歌人としては
額田王、柿本人麻呂、山部赤人、大伴家持など、
天皇や貴族、宮廷歌人が名を連ねます。
一方、作者不詳の防人、農民などさまざまな身分の人の歌も含まれている。
注・額田王(ぬかだのおほきみ)は、女流歌人です。→
・作者不詳とは、作者の名前がわからないという意味
・万葉集は、人間性豊かで素朴な表現が多くみられる。
・原文は、すべて漢字で書かれており、漢文の体裁をなしているが、
漢字の意味とは関係なく、漢字の音訓(読み方)だけを借りて表記している。
万葉集のこの表記方法を「万葉仮名」という。
◆『万葉集』の構成は
・『万葉集』の各歌は、各部立てに分けられている。
・各巻は、この部立てごとに年代や国ごとに配列されている。
・部立ては、人を愛する恋の歌や死者を悼む歌や雑歌がある。
・「雑歌(ぞうか)」には、旅情や自然を詠んだ歌や宮廷に関する歌などが
含まれている。
◆歌体としては
・「短歌」「長歌」「旋頭歌(せどうか)」があり、
・五七五七七の五句からなる「短歌」が4200首あまりで多い。
・五七を長く続け、最後を基本的に七音の句で締めくくる歌が「長歌」で
260首あまり、
・五七七を2回くり返す六句からなる歌が「旋頭歌」で60首あまりある。
・歌が作られ続けた120年間を「万葉の時代」ともいう。
・それぞれの時代には、代表的歌人がおり、
歌風も、それぞれの時代の特色を感じることができる。
作成日:2018/09/07