★中3国語 (光村図書)    - 握 手 2-   井上ひさし

ルロイ修道士の言葉集  握手本文から 

01 さよならを言うために、こうして皆さんに会って回っているんですよ。
02 朝晩の食事は静か食うべからず。(園児がにぎやかに食事をしているのを見るのが好きだから)

03 ただいまから、ここがあなたの家です。もう、なんの心配もいりませんよ。
04 プレーンオムレツが置かれた。「おいしそうですね。」

05 彼の手はいつも汚れており、てのひらは樫の板でも張ったように固かった。
06 ルロイ修道士は「こら。」とか「よく聞きなさい。」とか言う代わりに、
   右の人さし指をぴんと立てるのが癖だった。

07 日本人とかカナダ人とかアメリカ人といったようなものがあると
   信じてはなりません。
   一人一人の人間がいる、それだけのことですから。

08 あなたにひどい仕打ちをしませんでしたか、もし、していたなら、謝りたい。
09 仕事はうまくいっていますか。「よろしい」右の親指を立てた。

10 仕事がうまくいかないときは、『困難は分割せよ。』あせってはなりません。
   問題を細かく割って、一つ一つ地道に片づけていくのです。
11 天使園で育った子供が世の中へ出て、一人前の働きをしているのを見るときがいっとう楽しい。
   何よりもうれしい。

12 育った子が世の中に出て結婚し子供が生まれます。
   そのうちに、夫婦の間がうまくいかなくなり、離婚します。
   やがて子供が重荷になる。
   そこで、天使園へ預けるために長い坂をとぼとぼ上ってやって来る。
   それを見るときがいっとう悲しいですね。

13 ルロイ修道士は壁の時計を見上げて、
   「汽車が待っています。」と言い
14 天国へ行くのですから、そう怖くはありませんよ。
   あると信じるほうが楽しいでしょうが。
   死ねば、何もないただむやみに寂しいところへ行くと思うよりも、
   にぎやかな天国へ行くと思うほうが、よほど楽しい。
   そのために、この何十年間、神様を信じてきたのです。


ルロイ修道士 指言葉  ◆ あなたも使ってみよう。

作成日:2018/07/14