★ミャンマーの歴史Ⅱ」  

ミャンマ-情報   「★ミャンマーの現代史」 

イギリス植民地化の圧政を受けていたビルマ族は、若者が半植民地闘争を続けていた
・ラングーン大学の学生であった「アウンサン」は、仲間たちと反英への独立運動に身を投じていた。
・1905年大国ロシアに勝利した日本に刺激され、独立を目指す組織が正式に結成された。
・第二次世界大戦が始まると、アウンサンは、日本に協力を求めた。
・それに応じた日本は、中国の「海南島」でアウンサンらの「ビルマ独立義勇軍」を教育した。
・その後、共にビルマで戦い、1942年にラングーンを陥落させた。

■イギリス軍追放後、日本はビルマで軍政をしき、ビルマの人々を失望させた。
・アウンサンは、日本の軍政支配に失望して、今度は「抗日戦争」を呼びかけ日本軍に抵抗した。

・大戦後、再びビルマを占領したイギリスとアウンサンらは交渉を続けた。
・そして、ついに1948年ビルマ連邦共和国として独立を勝ち取った。

・しかし、指導者アウンサンは、独立直前に32歳の若さで暗殺された。

・犯人は、政敵「ウー・ソオ」一味であったが、イギリスが黒幕であるという説もある。
・その後、中国の影響を受けた共産党やイギリスの影響下にある国内の少数民族の抵抗にあい、
・政治的混乱が、1962年まで続いた。


1962年、この混乱に軍部が軍事クーデターを決行、指導者は「ネ・ウィン将軍」である。
・武力で治安と民族反乱を収拾し実権をにぎり、そのまま軍事政権を続けた。

・それから26年、軍事政権「ネ・ウィン内閣」は、ビルマ式社会主義政策や鎖国政策を行ったが失敗。
・経済は衰え混乱が続いた。

1988年、国民の不満が爆発して民主化運動が発生。
・全国的な暴動が始まった。
・ネ・ウィンは、責任を取って政権を辞任したが、
・その時の演説では「軍は国民に銃口を向ける」と民主化勢力を牽制した。

・1990年、総選挙を行うとアウンサンの長女「アウンサン・スーチー」の国民民主連盟が大勝利した。
・しかし軍事政権は、この結果を無視し民主化勢力を弾圧し、
・さらに反抗的な少数民族をも弾圧しはじめた。
・そのため国際社会から反発と批判を受け「経済制裁封」を受けることになる。

・2002年12月独裁者「ネ・ウィン」死亡。実に40年間「軍事独裁政治」を行った。
・しかし、彼の死後も軍事政権が続いた。


アジアで最貧国となったミャンマー
・2011年、軍出身の「テイン・セイン大統領」が新政府を作ると民主化が進む。
・2012年、軟禁状態を解かれたアウンサン・スーチーが下院議員に立候補し当選した。
・これを機に、欧米諸国は経済政策をといた。
・その後、多くの国が「資源豊富な国」ミャンマーへ投資を始めている。

仏教国のミャンマーに、100万近いイスラム教徒がいる。
・ベンガル系イスラム教徒の「ロヒンギャ」の人々がその多くを占めている。
・ミャンマーのロヒンギャの人口は、約80万人と推計されてるが、正確な数値は不明である。

・国連は、ロヒンギャ難民は50万人いて、さらに25万人が潜在的な追放の危機にあると説明した。

ミャンマ-情報   ★ ロヒンギャ問題とは何か 

■1988年、ロヒンギャがアウンサンスーチーらの民主化運動を支持したため
・軍事政権は、ロヒンギャ居住区のマユ国境地帯に軍隊を派遣し強烈な弾圧を行った。
・ここから悲劇が始まった。財産を没収され追放されたロヒンギャは抵抗を繰り返した。
・その後のネウィン政権下でも約30万人のロヒンギャが難民としてバングラデシュに亡命したが、再びミャンマーに戻る人々も多い。

■ここまで悪化した背景は、ミャンマーの多数派である「仏教徒とイスラム教」との宗教対立もある。
・ミャンマー側は「ベンガル・ムスリム」による仏教徒への強姦や改宗強要が諸悪の根源と主張している。
・ロヒンギャ側は、弾圧をうけ財産を剥奪され人権も認められず闘争を続けるしかないと主張している。

・現在ミャンマーでは、ロヒンギャ人には国籍を与えられておらず参政権もない。
・2017年現在、ロヒンギャの国外流出と難民化の問題は悪化し続け、まだ解決していない。

 ■ミャンマーは、「豊かな自然と豊かな資源」を持っている国です。
・古代から仏教を取り入れて、それぞれの王朝は繁栄してきた。
・しかし現代史は、混乱の歴史を繰り返している。
・社会主義化における中国の影響
・イギリスによる植民地など、ミャンマーは大国からの干渉と支配から抜け出せなかった。
・大国は、ミャンマーの眠っている豊富な資源に気がついたのである。

■繁栄した昔の王朝は、多様な民族との融和をはかり軍事力を蓄えてきた。
・現代の混迷は、軍事政権による少数民族への弾圧が主因であり、過去に学んでいない。
・この民族紛争が、ミャンマーの近代化を遅らせている。

なぜ、軍事政権は、この様な弾圧を繰り返すのか?
・少数民族の多くは、山岳地帯に住んでいる、そこは資源の宝庫である。

・特に弾圧が強い北部地域は、豊富な資源があるため
・中国の資源獲得と軍事政権の癒着があり、資源の利権がその背景にあると思わずにはいられない。

・ロヒンギャへの弾圧は、仏教徒との関係である。
・釈迦の教えが守られていないのは、やはり仏教界指導者の悪行である。

・いずれにしても、豊かな資源国家ミャンマーの混迷は、
・かっての社会主義化の失敗と利権が絡む軍事政権が、その発展を遅らせたことは間違いない。

2019/03/15 (記) Ouxito   

  




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