・最近、悪質な事件が多く理解に苦しむことがある。

・学校の「いじめ」は減ることがなく増加を続けている。

・教員の「セクハラ」問題も紙面を飾っている。

・1980年代後半から「子供のしつけ」は家庭でするという「家庭教育」が重視され、
教育現場から「子供のしつけ」教育が姿を消していった。

・その背景には、体罰は禁止、子供とは友達関係で接しようなど教育評論家たちの声もあり、
 受験教育に追われていた現場も黙認した。

・私が教育現場にいた時、ハローワークから講師が来て就職関係の話をしてくれる講座があった。
・30人ほどの3年生が参加していた。
・話の途中から、ある女子生徒の私語が目立った。
・話が面白くないので、友達と話し出したのである。

・担当である私は、見かねて二度ほどそばに行き小声で我慢して聞いてくださいと注意をした。
・注意は聞き入れてもらえず、3回目の注意はゴツンと軽く頭をたたいた。

・するとその3年生の女子生徒は、子供のように大声で泣き出したのである。
・そして友達と一緒に教室を出て保健室に駆けこんだ。

・講座が終わったので、保健室に様子を見に行ったら、
・女子生徒は「教育委員会」に訴えてやると騒いでいた。

・翌日、女子生徒の担任から「母親から昨晩電話があり、家では娘に手を上げたことはない」
・明らかに教師の体罰なので、教育委員会に連絡すると連絡がありましたと告げられた。

・私は、なるほどと理解した。
・それは、大人に近い生徒が「子供のように」泣き出したことの意味を理解したからである。

・管理職の校長と教頭は、慌ててすぐ家庭に謝りに行けと言いだした。
・私はそれを断り、教育委員会へ連絡してくださいと答えておいた。

・後日、担任から連絡があり、
・母親は「おばあさん」が、孫におまえが悪いと怒り。

・私によろしく伝えてくださいと言われたと話してくれた。

・その後、その生徒とは通常の話もでき、生徒は無事卒業していった。

・おばあさんの説諭がなければ、私は減俸か辞職をしていたと思う。

・昔の話なので今の教育現場では「しつけ」などは、ほとんどできないのではないかと思う。

・教育現場から「子供のしつけ」が消えたのである。

・おばあさん世代は、儒教の教えをうけた世代である。
・生徒の母親世代も、子供も「人の道」など誰も教えてくれなかった世代です。

・「しつけ」を受けなかった子供たちが、やがて大人になり、

・何が悪いことなのか、何が良いことなのか、わからず混乱と迷走が繰り返しているのが、いまの日本です。

なにを「しつける」のかは、難しいことなのですが、

・日本人の心に刻まれた「人の道」は、孔子の教えと仏教の教えです。
・もう一度、原点に戻り「論語」を開いてみるのもよいかも知れません。

2020/04/20(記) Ouxito 





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