ココア情報       ★「カカオの栽培」 

 *制作:ネスレ日本 You Tubeから


 南米作物

ココア情報       ★「カカオ豆の歴史」 

・ココアの歴史 音で読む1

■・コロンブスが新大陸を発見した16世紀以降、ヨーロッパ人が新大陸から持ち帰った物は、金・銀・財宝の他、いろいろなものがある。

・みなさんが大好きな「チョコレート」の原料である。「カカオ豆」もその一つです。

・コロンブスは、カカオ豆をスペインに持ち帰ったが、始めは使い方がわからなくしばらく倉庫におかれていた。

・しかし、略達者「エルナン・コルテス」は違った。
・アステカの皇帝から「ショコラトル」という飲み物を飲まされて、その味を知っていた。

・この飲み物は、皇帝や身分の高い者しか飲むことができない「神の飲み物

・飲み方は、カカオ豆をすりつぶしてドロドロにしてトウモロコシやバニラやスパイスを入れて飲む。
・極めて苦いが、口の中でとろけて、とても元気がでる飲み物であった。

こうしてカカオ豆は、スペイン人によってヨーロッパへ渡ったのです。

・カカオ豆の木は、南米のアマゾン川流域、アンデス山脈東部、オリノコ川流域が起源といわれている。

・その栽培は難しく、カカオ豆の希少価値は高く、メソアメリカとカリブ地域の共通通貨として使われていたほどでした。

*メソアメリカ(Mesoamerica)=中南米地域で高度文明(マヤ、オルメガ、アステカなど)が繁栄した文化領域を指す。

カカオ原産地

Mesoamerica

ココア情報       ★「カカオ豆の加工」 

・ココアの歴史 音で読む2

■・この「チョコラトル」は、スペインでは、病人に与える薬として飲用されていた。

・スペインとフランスの王家の結婚で交流が深まるとフランスにも伝わり、17世紀中期に一般的な飲み物となった。しかし油脂分が多く、お湯や牛乳に溶けにくく、苦くて濃い飲み物でした。

・オランダの「カスパルス・ヴァン・ホーテン」(1770年-1858年)が、カカオから油脂を分離し、粉末化する手法を開発して「ココア」と名付けて売り出した。

・カカオ豆を脱脂することで、お湯に溶けやすくなったのです。(ココナツパウダーの登場)

*カカオは、スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネの植物分類学で植物学名「ココアcacao(神の食物)」と名前がつけられた。

・カカオ豆の油脂分のココアバターは、当初は副産物として利用価値が低かったが、ココアバターで、やがて固形チョコレートが発明された。チョコレートの登場です

・このチョコレートに、砂糖やミルクや香辛料を入れて、現在は色々なチョコレートが作られています。

・カカオ豆がヨーロッパに渡って500年、いまでもその加工技術は研究され発展しています。

◎カカオ豆は、奥深い「神の飲みもの」なのです。

ココア情報       ★「甘いチョコレートの苦い歴史」 

・ココアの歴史 音で読む3

■・甘いチョコレートには、砂糖が必要です。

・砂糖は、ヨーロッパ人の白人たちが、新大陸に砂糖きび畑の大農場(プランテーション)をつくり、大量に砂糖を生産してヨーロッパへ運んだ。

・それは砂糖や砂糖きびからつくる「ラム酒」を製造するためでもありました。

・新大陸の大農場で働く労働者は、初は原住民(インデオ)を奴隷として働かしたが、過酷な労働のため、多くの原住民の奴隷が死亡して労働力が不足した。

・そこで白人たちは、労働者の不足を西アフリカの住民たちにもとめた。

・奴隷貿易の始まりです。

・16世紀~19世紀の近代社会は、白人たちの「帝国主義の時代」です。

・新大陸やアフリカ、アジアの植民地から、金・銀・財宝を奪い、土地を奪い、白人たちに有利な作物の大農場を建設して、原住民や黒人奴隷たちの労働者を酷使して富を奪い取っていった時代です。

・そのため、新大陸の原住民(インデオ)の3分の1は、過酷な労働で死亡したといわれています。

・また300年間続けられた奴隷貿易では、西アフリカの黒人たちが5000万人も奴隷として新大陸に送られ故郷のアフリカを離れたといわれています。

・さらに、この奴隷貿易の輸送船に乗船させられた黒人の待遇は拷問に等しく,輸送される全黒人の少くとも 20%は,航海中に死亡して海に捨てられたと言われています。


・白人たちとは誰なのか・・・16世紀以降はスペイン人とポルトガル人が中心です。
・17世紀以降は、イギリスが中心となり新大陸だけではなくアフリカ・アジアにも進出して植民地支配を行います。

・砂糖やカカオ豆の栽培や採取には、大農園で原住民や黒人たちが奴隷として使われて働かされた歴史があります。

・甘いチョコレートには、この様な苦い歴史がありました。

ココア情報      ★「カカオ農園で働く児童労働者」 

・2006年6月3日 フジテレビ放送

■・現代は、帝国主義の時代ではないが、甘いチョコレートには、やはり苦い問題がある。

・奴隷貿易が禁止されたあと、南米国のカカオ豆の生産が労働者不足となった。

・そこで白人の企業家たちは、カカオ豆の木を西アフリカに移植し、西アフリカにカカオ豆の生産と収集拠点を移した。

・ガーナをはじめとする西アフリカのカカオ生産地では、家族単位の小規模な農家が中心で生産していますが、その収入は極めて低いです。

・カカオの収穫から、発酵、乾燥までのさまざまな工程に多くの労働力が必要となりますが、農家のコストは抑えられ労働者を雇うことができなく、子どもたちがカカオ生産の重要な労働力になっています。

・ガーナでは、約90万人・コートジボワールでは、約130万人(2015年)の子供たちが、"刀"を使う危険なカカオ農園で働き、そのうちの65%の子供が14歳以下の「児童労働者」です。

・アフリカのカカオ農園は、今度は黒人の子供たちを「強制労働者」の奴隷として雇い、生産を続けているのです。

・日本のチョコレート原料は、主にガーナ産が70%を占めています。

・君たちが好きな甘いチョコレートを口に入れるとき、
・学校にも行けず、カカオ豆を採取して貧しく暮らしている。

・この子供たちのことを忘れないでいてほしいものです。





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