コーヒールンバ
西田佐知子
■コーヒーは毎日飲む、1日4~5杯は飲む、しかし、コーヒーについては知らないことが多い。
・毎朝、ミルクを少し入れたコーヒーを飲む。砂糖は入れない。
・ベトナムやフィリピンは、アジアのコーヒー原産国です。
・この国々のコーヒーはやたらと甘い、そして苦い。
・しかし、灼熱の暑さの中で飲むときは、じつにうまいのです。
・コーヒーの知識を持たずに、いつも飲んでいる。
・コーヒーの歴史ぐらいは、知ってみようと -まとめ- てみた。
■コーヒー豆の植物は、紀元1000年ごろエチオピアで発見されて利用されたという説がある。
・コーヒーの歴史 音で読む1
・コーヒー豆の発見
・エチオピアの南部アビシニア高原で、羊飼いの青年が、ある日羊たちが赤い実を食べて興奮しているのを見て、自分も食べてみたところ、全身に精気がみなぎり、爽快な気分になった。
・これがコーヒーの発見であるという説である。
・他にも諸説があるが、何しろ文字の記録のない時代なのでわからない。
・青年は、山羊と一緒に毎日この赤い実を食べ、元気に愉快に働いていたが、通りかかったイスラム教の僧侶が、青年からこの赤い実の不思議な力に聞き、これを僧院に持ちかえって仲間の僧侶たちに食べさせた。
・僧侶たちは、甘ずっぱいおいしさに加えて、眠気がとれ爽やかな気分になり、それ以来みんなこの実にすっかり魅せられた。
・そして魔法の豆として密かに愛用されるようになったという話です。
・イスラム世界にコーヒーが広まる
・コーヒー豆は、エチオピアの対岸アラビア半島に伝わります。
・初めは、アラビア世界ではコーヒー豆の実をつぶして脂をまぜ、団子にして食用にしていたが、その後、コーヒー豆の実と葉を一緒に煮て、その煮汁を飲むようになった。
・やがて、実の皮と種子を天日で乾かして使うようになるとおいしさが増した。
・苦いので、砂糖を入れて飲んだ。これがアラビアコーヒーの始まりです。
・イスラム教が拡大する約600年間に、コーヒーもイスラム世界全土に広まっていった。
・このコーヒーを「アラビアコーヒー」と言います。
■・アラビアコーヒーとは
・煎った豆をお湯の中に入れ、その煮汁を飲みます。
・砂糖がたっぷり入り、香辛料なども入れて香りをつけて飲みます。
・現在でもイスラム圏の人々は、このコーヒーを飲んでいます。
・とても熱くて、苦く・甘く・スパイスの香りがするコーヒーです。
・アラブコーヒーは、トルココーヒーとも呼ばれています。
・この「魔法の豆」は、体に良い飲み物として飲まれているようです。
■コーヒーを飲ませる店が、エジプトのカイロにできた。
・コーヒーの歴史 音で読む2
・1510年頃、カイロの街に世界で最初のコーヒー店ができた。
・1554年には、トルコの首都コンスタンチノープルに「カヴェー・カネス」という有名なコーヒー店も生まれた。
注:トルコでは、コーヒー豆を煎り、それを石臼で挽いて煮出して飲む方法が親しまれている。
■ヨーロッパ人(白人達)が、コーヒーを飲み始めたのは、1600年頃から。
◎クレメンス法王から洗礼を受けたコーヒー
・1615年ベネチアに上陸したコーヒーは、ヨーロッパに広まったが、イスラム教徒の飲み物なのでキリスト教徒は飲めなかった。
・しかし、時の法王クレメンスは、この飲み物を異教徒に独占させるにはもったいないと「コーヒーの洗礼」を行った。
・そのため、コーヒーはヨーロッパ社会で市民権を得て、誰でもが飲めるようになった。
・ヨーロッパの最初のコーヒー店は、1650年イギリスのオックスフォードの学生街に出来た。
・たちまち学生達に大人気となり、わずか10年で2000軒のコーヒー店が、ロンドン市中に林立してコーヒーブームの発火点となる。
・このコーヒーハウスは「ペニー大学」と呼ばれ、入場料1ペニー。
・2ペンスでコーヒーか紅茶、そして新聞がつく。
・店は繁盛して毎日、知識人たちが集まるたまり場となった。
■名もないブリキ職人の大発明「ドリップ式コーヒー」の登場。
◎ドリップ式コーヒーの登場
・フランスは、コーヒーの近代化に重要な貢献をしました。ドリップ式の発明です。
・1763年、ポットの中にたらした布袋にコーヒーの粉を入れ、熱湯を注いで浸透させる器具が登場します。名前もないブリキ職人によつて編み出されたドリップ式コーヒーです。
・煮出すコーヒーから漉(こ)すというコーヒーへと、まさに、コーヒーの一大革命で、近代コーヒーの基が編み出されたのです。
・コーヒーの豊かな味と香りを最大限に抽出する、このドリップ式を考案してくれた名もないブリキ職人に大感謝です。
・コーヒーは、どうしても抽出液に豆カスが残ります。
・その後コーヒーは、抽出器具発展の歴史と続きます。
・現代のコーヒーの抽出器具類
・さまざまな器具があり、何を使って抽出するかは自分しだい。
・自分のスタイルで香りと苦みを楽しんでください。
■世界中で飲まれているコーヒー、あなたが飲んでいるコーヒー豆はどこの国の豆ですか?
・コーヒーの歴史 音で読む3
■・コーヒー豆は、コーヒーベルトの国々で作られています
◆コーヒーの栽培は、大変むずかしいです
①雨、②日当たり、③温度、④土質の4つの条件を満たしていなければ育ちません。
⑤成長期に雨が多く、収獲期に乾燥している。つまり雨季と乾季があるという環境
⑥日光を好む植物にもかかわらず、日当たりが強すぎると元気がなくなってしまう。
⑦温度は、年平均20℃という夏の避暑地のような場所で、0度以下になれば死滅する。
⑧土質は肥沃で、水はけが良く少し酸性の土壌がコーヒーにはよい。
・地球上で、これらの厳しい条件を満たすことができる場所は、
・赤道直下の南北回帰線(北緯、南緯25度)で囲まれた範囲だけです。
・この場所を「コーヒーベルト」と呼びます。
・ここだけが、コーヒー豆を生産できる地帯です。ほかの地域では、生産ができません。
■・エチオピアから広がり、今では世界60数カ国で生産されているコーヒー豆
・生産地によって気候、風土にあった栽培法がとられており、形、味、香りなどが微妙に違い、ユニークな風味を楽しめます。
・原産地のエチオピアやアラビアのコーヒーの木は、その後大航海時代に、白人たちによって、熱帯の各植民地に運ばれて大量に栽培されて行きます。
・その為、今は世界中の「コーヒーベルト」地帯で栽培されているのです。
■・コーヒー豆の種類
・コーヒー豆には「アラビカ種」と「ロブスタ種」と「リベリカ種」があります。
・「アラビカ種」は、エチオピアが原産地の豆。
・コーヒー豆として品質が優れているが、病気に弱い豆です。
・花のような甘い香りを持つこの豆は、
・世界で生産されるコーヒー豆の約70%を占めています。
・「ロブスタ種」は、コンゴが原産地の豆。
・ 生長が早く、病気にも強く、収穫量も多く生産性に優れています。
・しかし、苦味が強く渋みがある豆です。
・主にインドネシアやベトナムで生産しています。
・インスタントコーヒーの豆として栽培されている品種です。