啄木の歌集
◆啄木の研究は盛んで、歌集や生い立ちについての解説書は沢山ある。ここで論ずる資格は私にはない。
ここでは啄木年表を見て、啄木を理解してもらえればよい。また主な作品の初本を載せてみた。
■啄木の年表から
・貧苦と病魔の人生の中で、文学への
強い思いと日々の苦悩が感じられる。
・彼の不運は幾つかあった。
1.盛岡中学の退学。
2.父一禎が職を失ったこと。
3.経済力無い中での結婚。
3.若さゆえ代用教員を辞したこと。
4.函館の大火で生活が狂い始めたこと。
5.才能あるがゆえに文学を捨て切れな
かったこと。
6.貧困の中で、病魔に犯されたこと
などが読み取れる。
・すべては、貧困ゆえの不幸の連鎖かも
知れないが、それにしては20才前後の
若者には過酷すぎる人生であった。
1.文学への思いを断ち一介の労働者と
して生きることもできたかも知れな
いが・・・
2.彼の残した珠玉の作品は、
不幸の連鎖との引き換えのかも知れ
ない。その不運は妻節子や長男真一・
長女京子・次女房まで続いた。
4.我々が暮らす豊かな社会では
貧苦の中で苦悩する心の叫びは
暗さの象徴として避けられてしまう。
5.啄木は、忘れてはならない言葉を
彼の不運と引き換えに文学として
残してくれたかも知れない。