★中3国語 (光村図書)    - 故 郷 -  魯 迅  あらすじ

◆NHK 10分BOX(現代文-故郷-から) 

故郷について
・「故郷」(こきょう)は、魯迅の代表作ともいえる短編小説のひとつ。
 1921年5月『新青年』に発表された作品である。

1.いつ頃の話か
・魯迅が故郷「紹興」を出たのは17才の時、
・別れて20年、とありますから、魯迅37才前後だと思う。
・1919年(大正8年)に魯迅は故郷「紹興」に帰省、家を整理して
 母を連れて北京へ戻る。
・その二年後の1921年「故郷」と「阿Q正伝」を発表した。

☆この時代は、第一次世界大戦が終結したが、
 中国では革命家・孫文が「国民革命」を起して
 1919年上海を中国国民党をつくり、1921年に中国共産党を成立させた。
 この時代は、中国の動乱期で、中国は安定した社会ではなく、
 混乱と不安な日々の時代だったと思う。

2.物語の場所は
・故郷「紹興」の話です。
・紹興は浙江省。上海や杭州の大都会が近くにある。
・日本では「紹興酒」の産地としてよく知られている。


3.登場人物と背景
・私  ・私の母親 ・閏土(ルントウ) ・ヤンおばさん
・紹興と生家
・いずれも20年間の空白を経て、昔と今を比べて、その変貌を描いている。

4.あらすじ
・主人公の「私」は20年ぶりに故郷に帰ってくる。
・かつて地主であったが、今は、没落した生家の家財を引き払うために戻った。
・私の想い出の中で美しかった故郷は、すっかり色あせ、
 土地だけでなく、住む人の心さえも貧しく荒み果てていた。

・私は、少年時代に仲良く遊んでいた小作人の息子・ルントウ(閏土)との
 再会を楽しみにしていたが、再会した閏土との口から出た言葉は、
 地主階級と小作人という、悲しい身分の壁を否応無く突きつけるものであった。

・しかし、その後、甥の「ホンル」とルントウの子「シュイション」が
 再会を約束したことを知り、
 これからの明るい未来の存在に、かすかな希望を見る。

5.この小説は、何を伝えたいのか
・移り変わり行く故郷と社会、人も同じで変わり続けるが、
 置かれた厳しい生活環境と体制に飲み込まれ、心が麻痺し、
 厳しい環境を変えて生活を変革しない人々の現実を悲しむが、

・幼い子ども達に未来を信じ、子ども達が希望を持って己の道を切り開き、
 次の時代が、今よりも、よりよく変わること希望した作品と考える。


  


   








651 0