★「ポルトガルの宗教」 (ファティマの奇跡)


・ファティマの奇跡 音で読む

■ポルトガルは教会が多い、ほとんどが歴史ある古い教会である。
 この国は、熱心なカトリック教徒の国です。(国民の92%)
 その信仰の中心は女性たちで、マリア像があればいつも「祈っ」ている。

■午前5時半の夜明け前、ナザレの丘から伝統衣装をきて、朝の祈りをしているご婦人に会った。

 気さくな人で、毎朝この時間に欠かさずに「祈り」を続けていると話してくれた。
 
■教会でも、平日に「祈り」をしている女性たちに会うことが多い。

 教会では平日も、若い女性たちも多く見かける。
 若い女性たちの「祈り」の姿は、他のカトリック国でもよく見かけた。(フィリピンでも多い)

■何を願っているのかわからないが、その「祈り」の姿に精尊を感じ、
 私は、ただ遠くから見つめるだけです。


        ★「ファティマの聖母」  

■ポルトガルで「聖母マリア」の出現の話を聞いた。
・「ファティマの聖母とか奇跡」といわれている話である。

・その場所は、リスボンから123km北部の中央部に位置するファティマという小さな村で、この村の3人の牧童の前に、聖母マリアが現れたという話である。

■この話のすごいのは、ロ-マカトリック教会が、この出現話を公認し、
 聖母の出現の場所として公式に認めていることである。。

・歴代のローマ教皇が巡礼に訪れ、カトリック教の重要な聖地の一つとなっている。

・小さな村には、今では大聖堂が建ち、毎日多くの信者が訪れるカトリック教の大聖地である。

■ ファティマの聖母マリア

■1917年の話で、今から100年も前の出来事である。

1917年5月13日(日曜日)

・ファティマの3人の牧童たちの前に「聖母マリア」が現れて、毎月13日に同じ場所へ会いに来るように言った。

・牧童達の名前は、
 ルシア 10歳(女)・フランシスコ 9歳(男)・ジャシンタ 7歳(女)の3人の子供たちです。

・その後、ルシアは97歳・フランシスコ10歳・ ジャシンタは9歳で亡くなった。

■・出現したマリアは、子供達に何を話したのか・・・

・子供たちは、周りの人々の様々な妨害に遭いながらも、聖母マリアに会って聖母からメッセージを託された。

・聖母のメッセージは、大きく分けて3つある。

■メッセージの一部

■・6月13日(水曜日) (父親を含め50人の群衆)

・-ルシアの質問にマリアは答える-

1.毎日「ロザリオ」を唱えることも忘れずに、
2.勉強して字が読めるようになること。

3.私が一番願っていることを話します。
4.ジャシンタとフランシスコは、まもなく天国へ連れて行きます。
5.ルシアは、もっと長くこの世にとどまらなければならない。

■・7月13日(金曜日) (5千人の群衆)

・聖母は、子供達に、地獄の存在とその姿を見せた。
・そして第1・第2・第3の預言を伝えた。

第1の預言
・ルシアのこの戦争は、いつ終わるのかという問いに
 (第一次世界大戦はまもなく終わるといった)

第2の預言
 (しかしその後、再び大戦が起こりロシヤにも不幸な出来事が起こると)

第3の預言
 (ルシアに1960年まで、話してはいけないとある預言を伝えた。)
 -この預言は、バチカンに封印され今でも公開されていない-

・聖母マリアは3人に、死後の地獄の実在を示した。
・3人は、そのあまりの光景に戦慄し、地獄は神話ではなく実在し、そこは罪深き人が死後に行く世界であり、二度と出ることはできないことを見た。

■・8月13日 (1万8千人の群衆)

・この日、3人の牧童は、聖母マリアに会いに行くことができなかった。
 (役人が13日の朝から3人を監禁し、15日に解放した)

        ★「ファティマの奇跡」  

8月19日 (予告なく出現する)

・聖母の言葉

 『もし人々が、あなたたちを無理やり町へ連れ出したりしなかったなら奇跡は、
 もっと大なものとなったでしょう。
・聖ヨセフと人々を祝福する幼子イエスとロザリオの聖母と苦しみの聖母を見たでしょう。』と告げた。

10月13日 (群衆 約7万人)

・最後の出現となった10月13日、
・しとしと降る雨の中、集まった7万人の群衆は次の光景を見た。

・太陽がネズミ花火がごとく異常な回転を見せはじめた。それに伴って、周囲に光の矢を放った。

・それだけでは終わらず、地表に対して急降下したり色彩を七色に変化させた。
・まさに奇跡としか言えない動きを見せた。

・この踊る太陽の放つ猛烈な熱で、雨に濡れていた群衆の服は乾いてしまった。

・牧童の中心人物であったルシア自身は、この現象を目撃していない。
・ルシアの手記では、
 (この現象が起こっていた時に、ルシアは『聖ヨセフとイエス』を見ていた。)

・その後、聖母の予言通り、
・フランシスコは1919年4月4日、ジャシンタは1920年2月20日にそれぞれこの世を去った。

・一人残されたルシアは、
・ドロテア修道会に入り、シスターとなった。
・ここで彼女は、同僚からの羨望と嫉妬に苦しんでいたが、それでも2人の弔いと自分の使命を全うする努力を続けた。

・しかしやがて、ローマからの正式な許可無しには、誰も彼女と話す事はできなくなった。
・沈黙と孤独の誓いの内に身を置くように課せられたルシアは、2005年2月13日、心不全で死去した。(97歳)


■この話を聞いて、私には幾つかの素朴な疑問がわいた。

・「聖母マリア」は、幼い純粋な3人の牧童を選んだのはわかるが、
・幼い牧童3人に、なぜ「悲惨な地獄」を見せたのか、

・それが、神のどういう意志なのかわからない。
・幼いジャシンタは、この地獄のことが忘れられず死ぬまで苦しんだと云う。

・フランシスコとジャシンタは、聖母の出会いから2年後に死ぬ。
・苦しみながら最後を迎えたという。

・選ばれし2人を聖母は、なぜどうして救わなかったのか
・それが、神のどういう意志なのか理解ができない。

■聖地ファティマは、現在カトリックの大聖地で多くの信者達が訪れている。

・この不思議な出来事をバチカンは聖地として公に公認した。
・一方この出来事をバチカンは教会の権威を守るため利用したのではないかという疑問もわく。

■いずれにしろ信仰心の薄れた現代社会への「メッセージ」となったのは間違いないようだ。

  


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