NHK 教材動画より
漢詩とは、なにか
■漢詩(かんし)とは、中国の詩(歌)です。
・日本人の最も古い漢詩人に、大津皇子(663-686)がいます。天武天皇の第2皇子です。
・しかし、漢字を読み、漢詩を理解できる人は、ほんの一部の人だけでした。
・やがて、日本人はいろいろ工夫をして、知識人の教養の一つとして広まりました。
■漢詩は、とてもむずかしと思いますが、理解すると、とてもおもしろいです。
・現代の中学校の国語では「1.春暁 2.絶句 3.黄鶴楼 4.春望」の四つをのせてます。
いずれも、大変有名な漢詩です。
漢詩 -日本人の工夫-(くふう)
漢詩文の説明 -漢詩の解釈-
■白文とは、
・中国の原文で漢文です。
【春暁】孟浩然
・春眠不覚暁処処聞帝鳥夜来風雨声花落知多少
これでは、わかりずらいので、5文字づつ、句読点をつけました。
・春眠不覚暁,処処聞帝鳥。夜来風雨声,花落知多少。
■訓読文とは、
・中国の文型は「春眠不覚暁」ですが、日本語の文型は「春眠暁覚不」です。
・そこで「白文」に「返り点や送りがな」をつけて、日本語として読めるようにしたものです。
【春暁】孟浩然
・春眠不レ覚レ暁,処処聞二帝鳥一。夜来風雨声,花落知多少。
■書き下し文とは、
・「訓読文」を日本語の語順で読みやすく、理解しやすいように書き表したものです。
・「書き下し文」では、わかりやすく「現代仮名遣い」で表しています。
・漢詩の学習は、この「書き下し文」を読んで覚えると良いと思います。
■現代訳文とは、
・漢詩を「現代文」に訳した文章です。
・漢訳する人によって「解釈」が違います。
・自分で訳して見るのも良いです。
「春暁・孟浩然」訓読 (日本語)
「春暁・孟浩然」音読 (中国語)
春暁 孟浩然
チュェン シアオ モン ハオラン
・春眠不覚暁
チュェン ミエン ブー ジュエ シアオ
・処処聞帝鳥
チュー チュー ウェン ディー ニアオ
・夜来風雨声
イェー ライ フォン ユィー シェン
・花落知多少
フア ルオ ジー ドゥオ シャオ
■語句の意味
・春暁 :春の日の明け方
・孟浩然:689年~740年の唐の詩人
・春眠 :春の夜の心地よい眠り
・不覚暁:夜が明けたことに気付かないで
・処処 :あちらこちら
・夜来 :昨夜からずっとというのもある)
・多少 :どのくらい多く
■「詩吟」(しぎん)
吟者:松野 春秀(関西吟詩文化協会)
・日本では、漢詩は「詩吟」として広く詠われています。
■漢詩の学習は大切です
① 立派な文章を書く力がつきます。
・日本の有名な作家達は、漢詩や漢文をたくさん勉強しました。
例・森鴎外・夏目漱石・中島敦・・・
② 多くの言葉を理解することができます。
例 ・啼鳥(鳴く鳥) ・夜来(ゆうべ) ・暁(明け方)
・山は青くして花は燃えんと欲す。
・国破れて山河あり。など・・・