スペイン情報        ★スペインの風土 


■スペインの地形

・スペインは、イベリア半島の国である。
・高い山脈とゴツゴツした岩と乾燥の高原、河川による広い平野と長い海岸線の国である。

・山脈は、北にカンタブリア山脈・ピレネー山脈、南にシエラ・ネバダ山脈があり、
 その間には大きなグアダラマ山脈がある。

・河川は、北にエブロ川、南にグアダルキビール川が流れ、周辺は広い沖積平原である。
 そのほか幾つかの重要な河川があり平野もある。
・河川は水量が少ないため、交通河川としての利用はない。

・海岸線は長く、北は大西洋、西と南は地中海に接している。
・海岸平野は狭く、北のカタルーニャから南下し南端のタリファまで地中海に沿って伸びている。

■そそり立つ山脈とその麓のゴツゴツした大地(高原)、北は雨が多く南は少なく、長い海岸線は
 変化に富み、地方ごとに異なる気候と異なる地形があり人々の暮らしも異なる風土が見られる。


■スペインの気候

・スペインの気候は多様な気候を持っている。
 それは複雑な地形に影響されている。

■マドリードを含むイベリア高原は、夏は暑く冬は寒い。
 10月~5月まで冬で-5℃になるときもある。
 反面、夏は暑く、真に大陸性気候である。

■北部は雨も多く穏やかな気候である。
 沖を流れるメキシコ湾流の影響で西岸海洋性気候となる。

■地中海に面した地域は、地中海性気候で一年中温暖である
 夏は乾燥した晴天が続き、冬は地区(A~C)によっては
 降水量が異なる。気温も地区により異なっており
 南の地区C気候帯では冬でも40℃になるときもある。(熱風がアフリカから吹いてくる)

・多様な気候と多様な地形が生み出すスペインは、人々の暮らしもまた多様である。


スペインの農業

■スペインの地中海沿岸では.
 夏の高温・乾燥という地中海性気候を生かした
 地中海式農業がさかんである。
・その代表的な作物が乾燥に強いオリーブとブドウと
 オレンジである。
・オリーブは、世界の生産量の3割以上を生産,
 世界第1位の座を守り続けている.
・ブドウ作付面積も世堺第1位であり、スペイン人が1年間
 に飲むワインの消費量は日本人の15倍である。
・また,バレンシア地方をはじめとする地中海沿岸は
 オレンジの産地である。

・この地域はアラブ系の人々の支配を受けた時代に灌漑が
 進み、今は肥沃な耕地となっている。

■内陸部は、雨の少ない乾燥した大地である。
 乾燥に強い小麦や大麦の栽培と家畜の飼料となるライ麦やえん麦の栽培が行われている。
 また、羊や山羊の移牧が盛んで800年前からある「移牧の道」が数多くある。

■南部では、乾燥に強い「コルクがし」が広く栽培されている。
 また、コルクがしの原生林では、イベルコ豚が放牧されている。
 イベリコ豚はどんぐりを食べるため栄養価が高く、その生ハムは世界最高のハムと言われている。

■スペインが位置するイベリア半島は、ピレネー山脈でヨーロッパから遮断される。
・夏ピレネー山脈をフランスから越すとよく耕された緑の大地から、
 赤茶けた大地が広がる異質の世界に入り込む。
・スペインの中央部は、約700mの「メセタ」という高原が広がっている。
・メセタは、乾燥が厳しく緑の大地は見られない。
・スペインの夏は暑く非常に乾燥している。草はなく茶色の大地が広がっている。
・ヘミングウェイは「誰がために鐘は鳴る」の中でスペインを
 「9ヶ月の暑い地獄と3ヶ月の寒い冬」と表現している。

■そのスペインの暑い夏に、わたしは一ヶ月間ほど滞在した。
・そしてスペイン人の荒々しさや情熱は、この激しい風土から生まれているのかと理解した。
・それまで、なぜスペイン人はこれほどまで他民族への略奪と弾圧を残虐に行えるのかと理解できなかったからである。

■世界には、いろいろな民族が生活をしている。
・言葉や宗教・生活様式も異なるが、同じ人間である。
・しかし、やはり異なる部分もある。その多くは「行動の価値観」である。 
・行動の価値観が、風土(環境)から形成されていることが民族理解の本質かも知れないし、人間にも同じことがいえると考えている。
 

2019/03/30 (記) Ouxito 

    


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